待ちわびた桜の季節もあっという間に終わり、シャツ一枚で出掛けられるくらいの陽気が続く今日この頃。
ブレットジャパンの周りには気軽にハイキング出来る五月山や親子で遊べる動物園などの散策スポットが点在していて、毎年この季節になると、散策がてらにショールームをふらっと訪れるお客様も増えてきます。
ご商談などはご予約をお願いしていますが、ちょっと興味があるだけだとか何屋さんか気になって、、といった方は、営業時間内でしたらショールーム内をご覧いただけますので、お気軽に是非!
↑↑↑ブレットジャパンのショールーム。ショールームには映えスポットが詰まってますよ~ヽ(=´▽`=)ノ
さて、ブレットジャパンでは最近古材天板やフェイクビンテージ(古材風仕上げ材)の天板のご注文を頂く事が非常に多くなっています。これもリモートワークなど生活スタイルが変わってきた影響でしょうか。 製作件数が多くなるにつれて、スタッフの腕や目利きも上昇中 !(^^)!
以前にもこのブログでスチームドライウッドを使ったダイニングテーブルをご紹介しましたが、今回はバーンウッドや足場板などの古材を使ったビンテージ感のあるテーブルを、製作過程も含めてご紹介します。
店舗でも家庭でも、テーブルやカウンターなどの家具は毎日触れて使う場合がほとんどなので、視界に入って気分が上がるような、あるいはホッと落ち着けるような風合いのビンテージ家具は良い仕事をしてくれます。
その一方で、接合金具の劣化や塗装の剥がれ、破損時にスペアパーツが無いなどの問題点も。
ブレットジャパンでは、北米地域で建物の構造材や壁、天井、床などとして使われ経年変化を遂げたバーンウッドや、日本の建設現場で作業用途で風合いをまとった足場板を再加工する事で、古材特有の風合いを保ちながら長く使える家具を製作しています。
【打ち合わせ】
お客様からご依頼頂く際は、まず風合いやサイズ、設置場所などの具体的なイメージをお伺いします。
遠方の方だとどうしてもメールや電話でのやり取りになってしまいますが、ショールーム(大阪府池田市)にお越し頂けましたら、展示品や加工前段階の元材などに実際に見て触れて頂けます。その際に具体的なイメージバースや参考画像などをお持ちでしたら、是非お持ちくださいね。私たちスタッフもお客様とイメージを共有しやすく、より的確な提案なども出来るかと思います。
お客様が希望されるイメージに沿って、使用する材や仕上げのディテイルなどのご提案もしながら仕様を確定。仕様や数量にもよりますが、約2週間の製作期間で発送・納品となります。
【材選び】
製作の最初の工程であり、仕上がりまで大きな影響を与えるのが材選び。
使用する材種はお客様とのお話の中で決定していますが、バーンウッドなどの古材は新材と比べて圧倒的に個性が表に出てきているので、接合時に隣り合う板材同士の相性や完成時に現れる全体の風合いを考慮して最適な組み合わせの材を選んでいきます。
下の画像はバーンウッドの中でも厚みのある材(約55~60㎜厚)の選別作業の風景。完成後の全体像を未加工の状態で見極めていく大事な作業です。
【加工前処理】
材の選び出しが出来たら、次は加工しやすい状態にしていきます。
例えば下の画像のツーバイ材の場合は両サイドに金具が取り付けられている為、手作業で取り外していきます。
この金具も良い感じに経年変化しているので少し勿体無いですが、、今回は接合製作品で幅カットなどの加工が入る為除去しました。棚板など接合なしで使える場所では、この金具のプレートも雰囲気づくりに貢献してくれそうですね(^_-)-☆
また、天板製作のご依頼でバーンウッド以上にご注文頂く事が多いのが足場板での製作天板。国産杉材ながら、意外と和テイストに寄らない仕上がりに出来るのでオススメです。
足場板は一般消費者向けの商品というよりは、建築資材(機能面で問題が無ければ見た目の重要性は低いもの)として状態に応じて二次利用、三次利用と使いまわすのが通常です。建設現場などで使われる事が多いため、利用回数を重ねるごとにキズや角落ち塗料や風雨によるシミなどが多くなり劣化も激しくなっていきます。
ブレットジャパンで取り扱うのは主に一次利用のもので、面の経年変化はあるものの角もしっかりと残っているので、風合いと堅牢性が両立していて家具製作に最適です。
【裁断】
使用する材の選別と下処理が済んだら長さや幅などのサイズカットをしてサンディングで表面加工をしていきます。
ブレットジャパンではショールームの展示品をご購入いただくことも可能ですが、基本的にはご注文をお受けしてから、ご希望サイズで製作していくという形になります。
上記のバーンウッド(約55mm厚)だと元材の長さが2,400mmあるので、おおよそこの長さまでの天板が製作可能。
足場板は元材の長さが4,000mmあるので、最大約4mまででしたら製作可能です。
※仕様によっては最大でとれる長さが変わってきます。
※サイズにより強度の関係で補強等をご提案させていただきます。
仕様にもよりますが今回は長さの最終調整は接合後にするため、いったん仕上がりサイズより長めにカット。幅についても、テーブルソーでカットしただけだと接合時に隙間が出来やすいので数ミリ程度大きめにカットします。
その後カット面をカンナ盤に通すことでフラットになり、接合時の隙間をなくすことになります。
【サンディング】
状況に応じてサイズカットと前後しますが、このタイミングで表面加工をしていきます。
経年変化した古材の表面をベルトサンダーなどを使って表情出し。一見すると表面を削るだけの簡単な作業ですが、板材が経年変化の中で1枚ごとに纏った個性を生かしつつ、仕上がり全体のバランスを考慮しながら絶妙な風合いを出していきます。
【接合】
表情出しが出来たらいよいよ天板接合をしていきます。
接合は素材やサイズ、用途等に応じて、ビスケットジョイントや背板・合板接合などを選択します。
ビスケットジョイント
ビスケットジョイントはビスケットの様な形をしたブナの圧縮材を使う為にこう呼ばれています。( ・﹃・ )オイシソー
隣り合う板の同じ位置に溝切りをしないとビスケットがうまく収まらないので、溝を掘る位置決めをしてからジョイントカッターを当てていきます。サクサク掘れるのでテンポ良く作業を進められます。
次に、掘った溝とビスケットの両方に木工用ボンドを塗り、左右の板を嚙み合わせていきます。ボンドの水分を吸ったビスケットが膨張する事で溝をしっかりと塞ぎ接合強度をあげるので、この作業も手早く。
ビスケットを入れたらボンドが固まるまでの間はクランプを絞めて固定します。
ビスケットジョイントの最大のメリットは、外面に背板やビスやダボなどの留め具が無いのでスッキリとした見た目に仕上がります。
背板・合板固定
ビスケットジョイントは見た目がスッキリと仕上がるメリットがある一方、天板サイズや板材の重量によっては強度不足になってしまうことも。。そんな時にオススメの固定方法が背板・合板固定です。
古材などの無垢板を面で広く固定するので天板自体の強度が期待出来、天板の厚みが増す分テーブル脚の固定強度も増します。
カスガイ固定
また、フォーバイ材(約100mm厚)などの極厚プランク材ではカスガイなどの金物で固定するケースも。
木と鉄は相性が凄く良いので、固定器具としての役割を果たしながら装飾としても良い仕事をしてくれるので、ビスケットや合板での固定で事足りる場合でも敢えてカスガイを希望する方もいらっしゃいます。
【塗装】
天板の固定が済んだらいよいよ塗装です。お店のディスプレイカウンターなどでは無塗装で完成というケースもありますが、自宅などで普段使いする場合は塗装仕上げにすることで手触りが良くなり、油染みなどの防止の意味でもオススメです。ただ古材を使った天板の場合、使用古材が持つ風合いを活かすため、下の画像のようなクリア塗装が人気です。
1回の塗装では濡れ色も淡くマットな仕上がりに。複数回塗装すると濡れ色も濃くなり光沢が出てくるので、この辺りはお好みで。
しっかりと乾燥させたら、天板はほぼ完成。ささくれなどが無いか素手で触れながらチェックしていきます。
【組み立て】
最後はテーブル脚を取り付ける工程。
ブレットジャパンではウッドレッグやアイアンレッグを取り扱っていますが、今回は最近人気の高いアイアンレッグの取付け。
例えばダイニングテーブル用だと、角パイプのロの字タイプや4本が独立したスチール脚(角型)が人気です。
また、テレビボードやベンチに最適な背の低いタイプもいくつかご用意しています。
取り扱っているアイアンレッグは取付金具が付いているので、取付作業は簡単です。
まず荷重や見た目のバランスを考慮して取付位置を決めて、ビスで固定。天板の割れ防止のため目に必ず下穴を開けてから進めましょう。
全てのビスを絞めたら脚の下にアジャスターが付いているので、安定する高さに調整して完成~!\(^_^ )( ^_^)/
配送をご希望の場合、脚を付けた状態だとサイズの関係で配送料が高額になってしまいます(ノ´Д`)
費用を抑えたい方は、取付位置の下穴を開けた状態で天板と脚を別梱包でお送りします。
手元に届いたら下穴の位置に合わせてビスを絞めていくだけなので、オススメです。
足場板古材で製作したダイニングテーブルとベンチがこちら↓↓↓
照明の色や設置場所によって見え方も変わってきます。
すぐ上の3枚の画像は窓から光が差し込んだ昼白色の環境。テーブルやベンチも柔らかい雰囲気になりますね。
一方でBarや自宅のダイニングなどでは電球色がオススメ。
テーブルの天面に映り込む光も落ち着いていて、リラックス効果を高めてくれますよ。
また蛍光灯などの昼光色の下だと、青みがかった白色が反射して残体が引き締まった印象になります。
仕事や家事や勉強などの集中したいシーンではこの雰囲気が良いかもしれませんね。
家具などを合わせると、、、
無垢板古材特有の温かみとビンテージ感が、しっかりと存在感を漂わせながらも周りと調和して、雰囲気作りに一役かってくれてますね。
上の画像は賑やかな背景のシーンですが、漆喰や壁紙などのシンプルな空間にもマッチしますよ。
最後に、製作工程の紹介でちょこちょこ出てきた、他の古材テーブルもいくつかご紹介します。
まずは厚さ55mmのバーンウッドを使ったダイニングテーブル。経年変化によって刻まれたキズや裂け目の風合いと、しっかりとした厚みで圧倒的な存在感があります。
現在はブレットジャパンの商談テーブルとして使っていますので、手触りや風合いを是非確かめてみてください。
リビングルームやシアタールームなんかにオススメなのが極厚プランクを使ったローテーブル。
100mm前後の厚みがあり、圧倒的な迫力でその空間のシンボルにもなります。下の画像のものは無塗装ですが、ご希望に応じて塗装も出来ますよ。
今回の記事に登場したテーブル天板は展示品のご購入も可能ですが、ご希望のサイズでお作りします。
※足場板古材の場合、最大4mのビッグテーブルの製作が可能です。
奥行も並べる枚数で調整できますので、是非ご相談ください。
下の画像のものは幅が2m。大人が3人並んで座っても余裕ですね。
今回ご紹介したようなビンテージウッドなどの古材を使ったテーブルの魅力はうまくお伝えできたでしょうか?
ショールームでは実際に見て触って頂けますので、是非体感しに来てください!
※月曜から土曜の10時から18時まで営業中。
Webサイトにも製作施工事例などを掲載していますので、覗いてみてくださいね。