師走ですね~(^_-)-☆
今年は秋が思いのほかしぶとく居座ってくれたので、結構快適に過ごしてたんですけど、、
このまま12月も暖かいまま行くのかと思ったら、月が変わったとたんに冬将軍が来ちゃいましたね。。
ブレットジャパンのショールームがある池田市は大阪の北摂エリアにあるので、大阪市内と比べてちょっと気温が低め。
寒いのが大の苦手な僕は、、早くも春が待ち遠しくて仕方ありません。。( ;∀;)
さて、そんな寒い冬がブレットジャパンにも容赦なく訪れたわけですが、仕事の方はバリバリです。
このブログでも時折ご紹介しているビンテージウッドも勿論ですが、最近は特にフェイクビンテージウッドのご依頼を多く頂いています!(^^)!
フェイクビンテージウッドとは新材を古材風に加工した商品群の総称です。
フェイクビンテージウッドは数十年の経年変化によるビンテージウッドと比べて、規格サイズに製材された新材を使う為、サイズが揃っている点や風合いをコントロール出来る点等が人気で、日常的に古材を見て触れて仕事をしている僕らだからこその、リアルっぽさを追求した商品です。
今回はそんなフェイクビンテージウッドの製作シーンをご紹介していきます。
フェイクビンテージウッドと一口に言っても様々な商品が存在していて、使用する元材も商品によって変わってきますが、今回はSPF材を例に見ていきましょう。
製作工程は大まかに、①材のテクスチャー加工、②サンディング、③塗装、④乾燥となります。
①材のテクスチャー加工
ビンテージウッドなど経年変化を遂げた古材とホームセンターに売っているような製材したての新材との違いの一つに、凹凸感などのテクスチャー(手触り感)があります。
樹種にもよりますが製材時にフラットな面だった木材は、建物の床や壁・屋根など様々な用途で施工されたのちに時間の経過と共に太陽や風雨や空気に曝され変化していきます。
含水率の変化によって木目が浮き出たり、使用に伴ってついたキズ、虫食い穴などがまさにその板の歴史として刻まれていくのです。
フェイクビンテージウッドで使用する元材は、規格に応じて機械製材されたものなので、表面のテクスチャーもフラットでスムーズ。
そこに様々な工具やオリジナルで作成した加工器具などを使って、古材に刻まれているような傷をつける事で、古材の風合いを纏わせていきます。
これらの作業は下の作業風景のようにスタッフがすべて手作業で進めていくので、経年変化が浅めの仕上がりから激しくヤレたものまで思いのまま。
ホームページに記載している定番商品でもお客様のお好みの具合に加工可能なので、「このタイプのキズは多めor少なめ」とか「全体的に荒く」など、気軽にリクエストしてくださいね。
②サンディング
この工程の主な目的は2つ。1つ目は木材特有のササクレなどの棘や欠けによって施工後に肌や衣服に引っ掛かるトラブルを避けること。いわゆるバリ取りの目的です。
これは使用用途や施工箇所にもよりますが、イメージしやすい対策ですね。ブレットジャパンで取り扱うビンテージウッドなどの古材やフェイクビンテージウッドは、自然風化による荒々しい表情などが魅力である一方、施工場所によっては人の手に触れるケースも想定されるため、サンディングの具合も必要に応じて変えていきます。
ベルトサンダーでサンディングをした後に、サンドペーパーを使って仕上げ作業。素手で引っ掛かりなどを確認しながら進めていきます。
2つ目は塗料の定着を良くする事。これは意外に思う人も多いかもしれませんが、SPF材のように表面がつるっとした材は、そのままだと塗料のノリが良くないんです。
オイルステインなどの色が思うように入らなかったり、塗料の種類によってはすぐに剝がれてしまったりするトラブルも。サンディングによって表面にうっすらと傷をつける事で、塗料が木材にうまく引っ掛かりしっかりと定着する、そんなイメージの加工作業になります。
この作業で使うサンドペーパー(紙やすり)は、目の粗さ(粒度)を#80、#150、#320といった数値(粒度)で表しています。
数値が小さいほど目が粗く、大きいほど細かく滑らかな仕上がりになります。
③塗装
フェイクビンテージウッドの完成後の印象に最も大きな影響を与えるのが塗装です。同じ樹種の板でも色味によって明るくポップな印象になったり重厚で落ち着いた雰囲気にも。
特に今回使っているSPF材は素地が白っぽい色合いなので、塗料で好みの風合いに仕上げる事が可能です。
ブレットジャパンでは定番カラーの他、ご希望に応じてカラーサンプルを作成して色合いを決定していく事も可能です。
それでは新材を古材風に加工していく手法の一例を、画像とともに紹介していきます。
例えば北米産の針葉樹から切り出されたSPF材は、加工が容易でどこのホームセンターでも取り扱っている、手に入れやすい木材。
この表面にホイールサンダー(ヘッドに自動回転式の金ブラシが付いたサンディング工具)を当てて浮造り加工をしていきます。
高速回転する金ブラシによって、繊維の柔らかい部分が削り取られ繊維の硬い木目の部分が浮き出た状態になり、経年変化を遂げたような凹凸感が生まれます。
SPF材は色味が白っぽいので、これだけだと凹凸感がわかり難いですが、オイルステインなどの塗料で色を乗せていくと、一気にメリハリある表情になります。
下の画像は木目の左から浮造り加工材、木目が濃い材、木目が薄い材の順で並べていますが、表情の違いが伝わるでしょうか。
木目が濃い材(真ん中)はそれだけでも比較的表情がはっきりしたものになりますが、ホイルサンダー加工(左)で凹凸を出す事で更に主張のある印象になります。
好みや施工する空間をどのように演出したいかを考慮して、ホームセンターで木材を選ぶ際の参考にしてみてください(^_-)-☆
ここに水性塗料を重ねたり、更に部分的にサンディングするなどの手を加えると、塗装が経年劣化で剥がれたような古材っぽい風合いを出す事も可能です。
この辺りの加工(どこを塗ってどこを削るかなど)具合は、目指す雰囲気に近いお店の内装などを参考にするのも良いかもしれませんね。
下の3枚の画像は左から順に①擦れを残した白塗装、②通常の白塗装、③通常塗装をサンディングで一部剥がしたものです。
ご注文の際は参考にしてみてください。
④乾燥
塗装が終わると必ず必要になるのが乾燥工程。
単色塗り1回塗装の仕上げであっても塗料の種類によって24時間あるいはそれ以上の乾燥時間が必要となります。
これは塗った塗料をしっかりと定着させるための工程ですが、ブレットジャパンで製作している多くの商品では異なる塗料を複数回塗り重ねて仕上げています。
この際に、先に塗った塗料の乾燥が不十分だと、塗装を重ねる際に塗料の滲みや剥がれが起きて仕上がりに影響が出てしまいます。
自然乾燥でじっくりと乾かすことで、綺麗に仕上げる事が出来ます。
ここまでご紹介してきたように、フェイクビンテージウッドは手作業による完全受注生産の為、色味やテクスチャーなどもバリエーションを無限に作る事が出来ます。
例えば同じテクスチャーでカラーだけを数種類混ぜて貼り合わせる事で、モザイク柄の唯一無二の壁面を作る事も可能です。
下の画像のようにブラウン系で揃えながらも微妙に色味を変えてみたり、差し色を混ぜる事でそれぞれ印象の違った仕上がりになります。
3枚目のウッドボードなんかは、雑貨や料理の撮影パネルとして使っても良さげですね(^_-)-☆
また、フェイクビンテージウッドは元材が規格サイズなのでロスが少なく、DIYでもカットなどの加工がしやすいので問合せが多くなっています。
家具などの製作にも使い勝手が抜群なので、塗装まで完了したフェイクビンテージウッドを取り寄せてご自身で加工組立をする方もいらっしゃいます。
もちろん、私たちのほうでテーブル天板や棚、テレビボードなどご希望のサイズで完成の状態まで製作する事も可能です。
SPF材はサイズバリエーションも豊富で、幅は最大285mm、長さは最大3658mmまで対応しています。
レギュラー商品のフェイクビンテージウッドはWebサイトに掲載していますので、チェックしてみてくださいね。
レギュラー商品を元に「もっと明るめの色合いで」とか「粗目の風合いに」などのご相談も大歓迎です。
また、床材用にサネ加工済みの材もありますので、お気軽に是非ご相談ください。