エイジング古材風テクニック!木材加工の簡単手順をご紹介!

 

古材というのは魅力的なもので、あえてそのように加工して雨風曝しや日焼け感を出すこともあります。しかしほとんどの方にはハードルが高く感じられると思いますし、自己流で挑戦してみようと思ってもなかなかできないのではないでしょうか?

そこで今回、木材を雨風や日光に曝した感じに仕立て上げる簡単な手順をご紹介しますので、自分の手で古材を作ってみては如何でしょうか?

木材を用意する

始めに木材の用意からですが、それに関してはご自身の目的に沿ったものを選ぶようにしてください。そうとは言っても「木であれば何でもいい」という訳ではなく、古材風に仕立て上げるに際して簡単に済ませられるものがベターです。

ではどのような木材がベターなのかといいますと、基本的には「無垢材(原木から切り出したままの木材)」が良いでしょう。SPF材など加工しやすいものが多く、後述しますが、無垢材の特性が古材風にリメイクする際に、大いに役立ってくれるのです。

逆にいえば、無垢材であれば基本的にはなんでも構わないと考えられますので、選ぶに際してそれほど迷うことはないでしょう。ホームセンターにある新品を安価で購入できますので、今日明日にでも木材は手に入れられます。

 SPF材って何?(YouTube)

木材に風化演出をほどこす

次に木材に対して風化演出をするのですが、雨風や日光という「時間の掛かるもの」であることから、一見難しそうに思えます。しかし加工しやすい無垢材を利用することで、その演出の難易度は劇的に下がるでしょう。

具体的には、まず古材を目指すとすると角がピンと張っているのはおかしいですので、面取りと言われるカンナやグラインダーなどでピン角を削り取りましょう。木材の角が取れて丸みを帯びますので、新品感がなくなります。テーブル天板やカウンターのエッジ部分(木端、木口)は仕上がった際に最も見える部分なのでノミやチェーンソーで斜めに加工するとさらに古材感は増します。風化であることから、木材の表面を削り取ってもいいでしょう。新品の木材に対してですので少し勇気が必要ですが、古材風にするならできるだけやっておくべき手順です。

 エッジング加工(YouTube) 

さらに釘で傷を付け、ネジの螺旋の跡を押し付ける、軽く穴を空けるなど、傷んだ感じを作り出してみましょう。それほど強度を求めていないのであれば、叩いて「割れ」を作ってもいいです。強度を全く必要としないインテリアとして使用するのであれば、それこそ好きなように傷んだ感じにするのもいいでしょう。DIYですので、ご自身の好みで古材感を出してみてください。

あまりハードにダメージ加工をすると塗装のためのサンディング加工に苦労します。まずは荒らしい表情からサンディング80番で仕上げて滑らかにしますが限界があります。テーブル天板のように人が常に触る箇所にはサンディング320番でさらに滑らかにしていきます。下処理は最終的な塗り重ね塗装において重要な作業なのでそれを怠ると仕上のイメージがかわりますので頑張りましょう。

 サンディング加工の必要性(YouTube)  

塗装をする

風化を作り出せたら、その風化を雨風や日光によるものであるように演出する塗装が必要になります。特殊な技能は求められませんので、そこは安心してください。

しかし1回塗装と2回からそれ以上とでは木の質感や色の深さは明らかに違います。手間かもしれませんが最低でも2回塗装を目指しましょう。

まずは塗装する色の選択から始めなければなりません。そして、外部などで使用する際は雨風や日光による風化するからと言ってウレタンクリア塗装で仕上げると数か月すれば表面のウレタンが劣化して塗装面が割れ始めます。そうなると全面を剥がして再塗装することになるので、基本的にはオイル仕上を推奨しております。風雨にさらされて色が抜けるのは乾燥がすすみ木の栄養分がなくなって起こる現象です。再度オイルを塗布することで木に浸透してまた蘇ります。自然風化を望む場合は別ですが針葉樹系の木材はそのまま朽ち果ててしまうのでその場合は広葉樹がお勧めです。

 オイル仕上とウレタン仕上の違い(YouTube) 

 針葉樹と広葉樹の違い(YouTube)

木の色素が抜けていく様相(自然風化)を示すことから、選ぶ色はチャコールグレー、もしくはスモークグレーになるかと思います。選んだ塗料を、「木材の表面を研磨していない状態」……つまり、先の風化演出をほどこしただけの状態で塗ってしまいましょう。

すると直ちに木材が塗装を吸い込み、その吸い込んだ塗料が蒸発する際に木の繊維を持ち上げ、毛羽立ちを伴います。毛羽立ちは、一般的には塗装の大敵なのですが、古材風にする場合には欠かせない技術となります。

ここで注意したいのが、一般的に毛羽立ちが忌避されることから、「いつものように」やってしまわないことです。通常は毛羽立ち防止として、木材を事前に湿らせ表面を研磨してしまいますので、意識してそれをやらないことが求められます。これであたかも雨風や日光に曝され続けた、ヴィンテージ風の古材がおおむねでき上がりとなります。

家具などに使用される場合は毛羽立ちが発生すれば再度サンディング320番で軽く研磨してから塗装することを繰り返せば樹種にもよりますが毛羽立ちはかなり軽減されます。

色ムラを調整する

塗装だけでは今ひとつ古材感がない、また仕上がり方に不満がある場合は、最後に色ムラを調整しましょう。もっとも簡単な色ムラ調整のやり方は、サンドペーパーを用いて木材の表面をこする方法です。

ただし、ここであまり強くこすってしまいますと、せっかくの毛羽立ちを失うことになりますので、かなり軽くこするのがコツです。もっとも毛羽立ちのある部分は塗料が吸い込みやすく、あまり色ムラはできませんので、こするのは「毛羽立ち以外」となるでしょう。2回塗装しておけば削りすぎても1回目塗装面が出でムラ感の演出にもなります。下処理で木材のダメージ(傷のテクスチャー)が多い部分には塗料は濃くはいりますしフラットな部分には浅い色になりますのでそれだけでも色のムラ感は出せます。

 ラスティックパイン(エイジング加工塗装)YouTube 

 アンティークブラウン(エイジング加工塗装)YouTube 

この時点で使用が可能ですが、自然風化を楽しみたいなら設置型ではなく移動型、さらに多少汚れても構わないなら、できるだけ保管は外にしておきましょう。塗料が落ち、軽くでも本当に風化が始まるなど、本当の意味で経年劣化が始まることになります。

これは、「本物の古材に近づける」要素となりますので、日数の経過と共にどんどん色合いや様相に味が出てくるでしょう。なお日光焼けだけを求めるのであれば、新品の木材を、日当たりの良い場所に一月程度雨ざらしにしておくだけで完成します。

最後に、今回の一連の流れは比較的簡単とはいえ、実際するとなると意外に面倒なところが多いのが現実です。そのため、DIYではなく本物の古材を購入する、または業者から古材風にリメイクした木材を購入するのも一考の余地ありだと思います。

まとめ

雨風や日光により劣化した古材が、案外簡単に加工できることをご案内しました。加工が苦手な方も多いと思いますので「BULLET JAPAN」でのご購入もご検討ください。

輸入古材はもちろん、多くのエイジング板材、床材、角材も取り扱っていますので、選択の幅が広がると思います。

    
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